出水市 地域おこし協力隊 山川 温子さん
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出身は大阪府。父が鹿児島県の霧島市出身です。霧島市で繁殖牛を育てていた祖父の影響で、幼いころから牛を育てることに興味があり、いつか自分で畜産業を始めたいという想いを漠然と抱いていました。
大阪で自動車メーカーの営業マンとして働いていましたが、祖父が他界したのをきっかけに、2017年、牛飼いになる夢を叶えるべく鹿児島へ。ご縁をいただいた鹿屋市の畜産会社で2年間経験を積ませてもらったのち、自治体の支援制度を活用しての独立就農を目指しましたが、申請要件になかなか合わず一旦は大阪に帰省しました。
独立の糸口が掴めず悩んでいたとき、鹿屋でお世話になった知人から申請要件をクリアできる研修・支援制度があるとの知らせを受け、再び鹿屋市に戻ってきたのが現在に至るまでの経緯です。
当初は親族のいる霧島市での独立就農を考えていたので、鹿屋市への移住ということには若干の葛藤もありました。けれど鹿児島での独立就農が目標としてあったので、自分の条件に合う研修・支援制度の話を聞いたときにはとりあえず行こう!という感じで不安はありませんでした。
人との距離感が近く、あったかくて優しい。牛舎に牛を入れた次の日「牛の鳴き声がするから、いよいよ牛が入ったかなと思って」と牛舎の近所に住んでいる人が見に来ていたことがありました。そんな風に興味を持って関わろうとしてくれる。ここでの独立就農に至るまでも、鹿屋でできた知人がいろいろと動いてくれたり、研修先の農家さんが研修後もサポートしてくださったりと人に支えられています。生活面では住まいが市街地の方なので、大型店も多く買い物には困らないですが、移動するのに車が必須というのは結構衝撃でした。大阪では車を使わない生活というのが当たり前だったので。
ありきたりなことですが、積極的にあいさつしたり世間話をしてみること。やはり最初は「よそ者」なので、地元の人たちは「誰だろう、どんな人だろう」と思っている。こちらから先にオープンになることが大事かなと思います。
自分の場合は特に牛を扱う仕事で、鳴き声だったり匂いだったりどうしても周辺の人たちにはある程度の我慢を強いることになるので、なおさら地域の人の理解や応援がないとここではできないだろうなという想いもありました。まずは「誰?」というのを払拭できるようにこちらからオープンになることを心掛けています。
鹿児島でお気に入りの風景は姶良市から鹿児島市に向かう海沿いの景色。
大阪にいたころはまず海の見える景色というのが身近ではなかったので、海が見えて桜島が見える、そして鹿児島市内に入ると桜島の反対側に仙巌園(薩摩藩島津家別邸)がある。そんな鹿児島らしい風景が好きです。
2021年1月に独立して繁殖牛を育てています。親牛を23頭買い付けて、子牛が4頭生まれました。日々の作業は、決まった時間にエサをやり、牛舎の清掃や、牛たちに変わった様子がないか観察したり、必要に応じて獣医さんや授精師さんを呼んだりといったものになります。
牛は一頭一頭個性も体質も成長も全然違う。分娩や病気、思いがけない一瞬の事故で命を落としたりします。数十年畜産に携わっている人でさえ「牛は難しいよ」とよくおっしゃるんですが、だからこそ面白いし、もっと知りたいと思える仕事です。
今年2月には初めて子牛をセリに出します。加えてかなりの出産数を控えていてしかもすべて初産なので、そこを無事に生ませきること、そして繁殖農家としての仕事を軌道に乗せていくことが目下の目標です。
最近では自治体も移住や定住に力を入れていていろんな施策があり、そういった情報は携帯電話一つで得られるのですが、やっぱり大事なのは動いてみること。動かなければ縁や運というものは生まれないということを自分自身の経験から感じています。
一生住まないといけないとか背負う必要はなく、2泊3日のお試し移住体験などもあったりするのでそういったものにとりあえず行ってみる。旅行でもいいから行ってみる。肌で感じてみないと分からない部分というのは多いと思うので、とにかく動いたほうがいいのかなと感じています。
鹿屋市の移住情報は・・・
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