【十島村編】43市町村どこにしよかな? かごしま移住旅日記
鹿児島県に移住検討中のサクラさんが、県内のどこに住もうかな?と43市町村をリサーチ。まちの魅力や基本情報から、交通手段、学校、医療機関、買い物環境、移住支援策までを調べた移住検討レポートです。
サクラさん……夫婦と5歳の子の3人暮らし。実在の人物かどうかはヒミツ!
十島村の基本データ
十島村ってどんなとこ?
屋久島と奄美大島の間に点在する島々で構成される十島村。口之島、中之島、諏訪之瀬島、平島、悪石島、小宝島、宝島の7島に人が住んでいます。人口は各島30名前後から160名前後。通船作業や資源ゴミの計量など島民が担う役割は幅広く、手分けしてやっています。
美しい海や星空、水平線に沈む夕日、火山帯ならではの力強い大地など、豊かで迫力ある自然にどっぷり浸れるのはここならでは!最近では移住支援策の充実やネット環境の整備で若い世代の移住者も珍しくなく、住民と協力し合いながら地域をつくっています。
面積
101.35㎢(鹿児島県31位)
人口
681人(令和4年4月1日現在、鹿児島県42位)
温泉源泉数
10本
ココが日本一!
日本一長い村(南北160㎞)
隣接の市町村
屋久島、奄美大島
十島村の交通手段は?
各島へのアクセスはフェリーのみ。鹿児島空港~諏訪之瀬島間にはセスナ機が就航!
十島村の各島へ行くには村営定期船「フェリーとしま」を利用。週2便、各島と鹿児島・奄美を結んで運航しています。島間は不定期(チャーター)で高速船が運航しています。令和4年に諏訪之瀬島空港か開設され、鹿児島空港から直接アクセスできるようになりました。
車などの燃料は本土で購入
島内の移動は車、自転車、徒歩。口之島・悪石島・宝島にはガソリンスタンドがありますが、それ以外の島では各自ドラム缶で鹿児島県本土や奄美大島から購入しています。
タクシーやレンタカーは無い
島内にはタクシーやレンタカー、レンタバイクなどはありません。観光や下見で訪れ車両を使いたいときには各民宿に交渉してください。
十島村の学校は?
保育所・幼稚園の代わりに子育て支援拠点施設がある
各島の乳幼児数は10人前後と少なく、トカラの島々には保育所や幼稚園等の施設はありません。その代わりに「子育て広場いまきら園」(宝島)、「中之島ほしのこ園」といった地域子育て支援拠点施設が各島にあります。栄養士や保育士等による子育て支援教室や、保健師等の専門職種による相談支援などもあります。
学習はほぼマンツーマン。異年齢交流がしやすい環境
学校は目の前の先生とマンツーマンで学習できる環境。複式学級なので自分だけで学習する時間もあります。小学校と中学校は併設されていて、異学年間のふれあいも育まれます。
高校で島発ちしても支援金支給制度あり。海外ホームステイのチャンスも
十島村には高校はありません。県内すべての高校を受験でき、中学卒業後は島発ちすることになります。入学後は高校就学支援制度がありアパート代など月額5万円以内の支援金支給があります。また、5年生以上は希望すれば毎年5名ずつ、アメリカ合衆国へホームステイもできます。
十島村の医療機関は?
各島に診療所。救急患者はドクターヘリなど
有人各島に診療所があり、看護師が1名常駐。中之島には医師も1名常駐しています。救急患者(診療所で対応できない患者)が発生した場合はドクターヘリや県防災ヘリにより鹿児島県本土か奄美大島の病院へ搬送されます。
十島村の買い物環境は?
フェリーで届く宅配サービスやネットショッピングが主
島内には都会のような大型スーパーやコンビニはありません。口之島・悪石島・宝島には共同売店があり、食料品や生活雑貨は購入できますが、住民は個々に宅配サービスやネットショッピングなどを利用して生活しています。
十島村の金融機関・郵便局は?
金融機関は郵便局のみ
全島に郵便局があります。預貯金をおろすことはできますが、ATMはありません。島内ではゆうちょ銀行以外の通帳やカードは使えません。
十島村の魅力はココ!
ここは本当に日本? 圧倒的な大自然!
数分おきに電車が来る都会とは違い、島への交通手段は週に2便の村営定期船のみ。それだけに、手つかずの自然が多く残っていて、都市部とは全く異なる力強い景色には圧倒されます。きれいな海と深い緑にはいろんな生き物も暮らしています。温泉もそれぞれの島に湧出。大自然のなかで、のびのびとした暮らしや子育てができそうです。
家賃が安い!
十島村は宅地が少なく本土と比較して建設費用もかかることなどから、マイホームを建てる人は少ないようです。多くが村の村営住宅や、村が所有者から借り上げ一部改修した空き家住宅に住んでいます。村営住宅は世帯用が月8,000円、単身~夫婦用が月6,000円(別途敷金が必要。所得や居住年数による使用料の割増あり)など、かなりリーズナブルになっています。
手厚い子育て支援
移住1年以上で出産し、その後も定住する意志がある人に対して、最大100万円の助成金があるほか、ミルクや紙おむつ代の助成や、高校終了前まで十島村に住所を有する子どもの医療費が助成されるなど、手厚い子育て支援があります。
助け合う心とサバイバル能力が育つ
島には各種専門店もないので、例えば車の修理などが必要なときには、島で詳しい人に教えてもらったり修理してもらったりと助け合いながら生活する場面が多いです。生きていくため、生活するための様々な知識やスキル、周りの人を気遣い助け合う人間力が自然と育まれていきます。
十島村の魅力まとめ
都会のせわしさから離れ、大自然を日常に感じながら暮らしたい人、自然のなかで子どもの生きる力を育てたいファミリー、島の人たちと一緒に地域や産業の活性化を楽しんでいきたいといった人におススメです。トカラ列島は釣りファンにはたまらないエリア。日常で釣りを楽しみたいという人にも、もってこいの環境です。都会にくらべてアクセスが簡単ではなく物価も高い傾向にありますが、家賃の安さ、子育てや就労支援の充実ぶりは大きな魅力です。
十島村の移住支援策・注目TOP3
定住促進資金交付事業(その他定住・転入を促進する事業)
十島村に住所を定め,3年を経過した人に対して交付されます。
【独立世帯】独身者は3年経過で10万円、複数家族は3年経過で20万円
【既存世帯転入者】独身者は3年経過で5万円、複数家族は3年経過で10万円 など
定住促進資金交付事業(出産・育児対策)
十島村に住所を定めてから1年以上経過した人で、出産後も引き続き定住する意志があると認められる人に対して、以下の金額が交付されます。
○助成額……第1子30万円、第2子40万円、第3子50万円、第4子以降100万円
就業者育成奨励金
十島村内において、農林水産業等に従事した日数に応じて奨励金が交付されます。後継者及び新規参入者で、単身で従事した場合は1日5,000円~7,000円、家族で従事した場合は1日8,000円~1万円(最大5年間交付)など、条件によって異なります。
【十島村編】
秘境の島々へ、まずは行ってみよう!
アクセスはフェリーのみ、コンビニやスーパーがない、ガソリンなどの燃料はドラム缶で購入など、本土の暮らしとは異なる部分も多い十島村。秘境的な島々での暮らしには、固定概念が変わるような新鮮さや、新しい発見・経験も多いですが、当然に不便さや厳しさもあります。移住後の暮らしをできるだけ具体的に思い描けるよう、まずは実際に足を運び、島で何がしたいのか、何ができそうかを検討してみたり、島民の暮らしぶりにも触れてみましょう。村には1泊1,000円で利用できる移住体験宿泊施設もあります。